不肖不精な置小屋 seasom2

仮面ライダーのS.H.Fの写真を中心に、まったりやってます

仮面ライダーディケイド考察小説 第二十七幕 「信じることと」


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『アギト! カメンライドゥ シャイニング!』

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遂に邂逅した宿敵との戦い。
その戦いは、もはや人知を超えた領域にあった。

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凄まじい速度で襲い掛かる二つの斬撃が、剣聖を名乗る彼をも退かせる。

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「はあっ!」
「ぐっ⁉」

 そしてアギト・シャイニングフォームの目にも止まらぬ速さで繰り出された二の太刀がビルゲニアの体を捕える。

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「おおおおおっ!」
 屈んだその背に四つの刃が煌めくが、

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「甘いわ!」
「ぐあっ!」

 その姿勢からビルゲニアは体を振り回して二人を切り払う。

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ファイズ!』

吹き飛ばされつつもディケイドは次の攻撃を開始する。

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『カメンライドゥ ブラスター!』

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「喰らえ!」

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 剣の切っ先から放たれた超強化ファイズポインターが、一瞬のうちにビルゲニアへと突き刺さる!

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「がはっ!」

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ポインターがビルゲニアの動きを拘束し、その口を上方へと向けた。
ディケイドとファイズは持っていたライドブッカーソードとファイズブラスターを投げ捨てると、

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「でやあーっ!」

ビルゲニア目掛けて飛び込む!

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ディケイドが通り抜けた後、鎧の内側へと叩き込まれた大量のフォトンブラッドが爆発を起こす。

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「はは…はははは!やるではないか。これまでの戦いの中で最も素晴らしい力だ!」

片膝をついたまま、ビルゲニアが嗤う。

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「ぬかせ!」

その言葉以上に、手ごたえがないのは分かっていた。

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ディケイドは手元に戻したライドブッカーソードで斬りこむと、そのまま力で押し込もうとする。

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「素晴らしい、だが…所詮は海東のそれとさして変わらん!」
「何?」

 明らかに力負けしつつも、ビルゲニアの薄笑いは剥がれない。
 それどころかむしろ饒舌になっていく。

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「見せてやろう!私の『完成』を!」

 ビルゲニアが剣を振り払い、強烈に迸るエネルギーがディケイドを跳ね飛ばす!

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「来たれ二つの太陽よ!」

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「二つの太陽…だと!」

 それが意味するところが、BlackとRX…二人の南光太郎から奪ったキングストーンだと察するのに時間はかからず、

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「…!」
 そしてその力も、見るに明らかだった。

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「月のキングストーン無き今、このスーパービルゲニアの姿こそが創世王」

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「返しやがれ!それはアイツらの力だ!」

 自らに酔いしれるビルゲニアの口上など聞く耳持たず、ディケイドは真っ直ぐに突きかかる!

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「そしてお前の死骸の上に立ち、創世神となるものの姿だ!」
「!」

 だが突きは虚空を裂き、ビルゲニアの声が聞こえたと思った時には

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 背後から肩へと強力な一撃を見舞われていた。

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そして呻く間もなく前方から

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腹部を蹴り飛ばされる!

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「速い、いや!」
ディケイドの目でも捕えられないのでは、速度の問題ではない――そう確信する。

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 その時にはすでにスーパービルゲニアの剛腕がディケイドの居たその場に叩きつけられ、同時に放たれた業火が炸裂した。

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「…!?」
 だが、そこにディケイドの姿は無い。

「これは…」

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「ハイパークロックアップか!」

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「遅いぜ!」
『カブト! カメンライドゥ ハイパー!』

 ビルゲニアが気が付いた時には既に、ディケイドとカブト・ハイパーフォームの切っ先が狙いを定めている。

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「マキシマムハイパーサイクロン!」

 そして放たれた二つの力の渦が、スーパービルゲニアを巻き込む!

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「どうだ!」

 今度こそ確かに直撃させたのを確認し、吼えるディケイド。

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 だが――

「!」

 いつの間にか、スーパービルゲニアの手がディケイドの顔面を掴んでいた。

「夢でも見たか…?」

「ちいっ!」

 急いで距離を取ろうとするが、間に合わない。

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 まさに太陽の如き輝きが視界を覆った。

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「顔にしたのは失敗だったか。悲鳴を聞けんとは」

 よろめいて倒れたディケイドから伝わったエネルギーが、地面をマグマのように紅く染め上げていく。


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「士ああああぁぁぁ!」

 そこに駆け付けたクウガが、拳に力を漲らせビルゲニアへと放つ!

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「!?」

 だがその威力はクウガの眼前で見えない何かに弾かれると、力無い音を残して周囲へ霧散していった。
 
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「バリアか…!?」

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「それなら…ありったけで!」
「やめたまえ」

 両足に力を溜めようとした時、ディエンドが突然横から現れる。

「うおっ⁉」

「これは次元の壁だ。いくら君の力が強力でも、この壁を打ち破ることは出来ない。今僕のシステムで干渉を試みたが、通り抜けることは出来ない。恐らくディケイドライバーやディエンドライバーとは違う何かでコントロールされているんだろう」

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「それじゃあこのまま、士がやられるのを見ているっていうのか!」

「…信じるんだ」

 海東から出てきた言葉は、意外なものだった。

「士を。このまま黙ってやられはしない」

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「…!」

 そう言うディエンドの手は、激しく震えていた。

「わかった…!」

 力強く頷いたクウガに、ディエンドは続ける。

「この壁が解除されるタイミングが必ずある。その時が…」

「チャンスだな」

 もう一度、クウガが前を見据える。

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「健気な仲間たちの前で、心置きなく苦しめ、ディケイド」

一歩一歩味わうようにゆっくりと近づき、囁く。

「無力さを呪い、絶望を噛みしめながら死ぬ苦しみは俺も知っている。だから介錯してやろう…」

振り上げられたビルセイバーが、炎を纏った。

「二度と、立ち上がれぬように」