ディケイド考察小説(完結)
最後辺り駆け足で更新しました「ディケイド考察小説」、Topでも書いておりましたが丸二年もの時間を費やしましての完結でございます… 今回も例によってmizukiさんからのコメントを毎回頂いてまして、とてもありがたかったです~^^ しかし量に対して時間か…
「おのれディケイドォォォォ!」 戦いが終わった世界に、突如響き渡ったその絶叫の主は―― 「鳴滝!」 「どこにいやがる!」 士が立ち上がり、あたりを見渡す。 「ちょっと待てよ、鳴滝がビルゲニアだったんだろ!?じゃあまだ生きて…」 狼狽するユウスケの言…
何度でも蘇る、その言葉に憔悴する二人だったが――後ろから歩いてきたディエンドは極めて落ち着いていた。 「いいや…残念ながら君はここで終わる」 「なんだと…なぜそれを!?」 現れたキバーラの手の内にある球体を見て、ビルゲニアの声色に絶望が混じる。 …
ディケイドが放ったディメンションシュートは、体勢を立て直しきれないビルゲニアへと直撃するはずだった。 しかしそれは、突如飛来した物体に遮られてしまう。 「あの剣は…!」 ディメンションシュートを受け止めて傷一つ付かずにビルゲニアの目の前に突き…
「ふざけおって…!何が通りすがりの仮面ライダーだ!」 「通りすがりなら通りすがりらしく、人の邪魔をするな!」 「生憎、眼に映ったものは放っておけないんでな!」 「そして、この因縁がある内はな!」 激しい舌戦ののち、空気を切り裂きながら肉薄する二…
「介錯してやろう…二度と立ち上がれぬように、そしてその墓標が我が力の根源となる!」 ビルセイバーを逆手に持ち、切っ先が狙うはディケイドの腹部。 ディケイドの持つ全ライダーカードが破られたその時、重なり合っている全ての世界が散らばってしまう。そ…
『アギト! カメンライドゥ シャイニング!』 遂に邂逅した宿敵との戦い。 その戦いは、もはや人知を超えた領域にあった。 凄まじい速度で襲い掛かる二つの斬撃が、剣聖を名乗る彼をも退かせる。 「はあっ!」 「ぐっ⁉」 そしてアギト・シャイニングフォーム…
「はああっ!」 仮面ライダークウガの攻撃が、ケルベロスⅡの体に直撃する。 クウガの拳からはこれまでにない封印エネルギーが放出され、ただのパンチでさえその残留した威力が紋章を刻む。 よろめくケルベロスⅡだが、 すぐさまダメージなど無かったかのよう…
まるで自らの魂が導いたかのように。 そうとは知らず、もう一つのディエンドライバーにディエンドの手が届いた。 「所詮、君はそこまでだったということか」 「…!」 憎しみが込められた声に視線を向けると、そこに立っていたのは――仮面ライダーディエンド。…
「星の輝きの前に、塵屑となるがいい!」 スコーピオンノヴァが、両手を重ね収束させた全身のエネルギーを天へと放つ。 雲を穿つほどに撃ち上げられたそれが、一瞬後にはすでにディエンドの頭上に降り注いでいた。 「くっ!」 ディエンドは高速移動でその威…
「もういい…さっさとお前を片付けて次に行かせてもらう」 <ファイナルベント> 「ゴアアアアア!」 ジェノサイダーの腹部が歪んで開き、虚無の漆黒が球体を成す。 それは猛烈な勢いで周囲の物体を吸い込み、無へと帰していく! 「くっ…!」 姿勢を低くして…
「ずあっ!」 「ハッ!」 自分の怨敵でもあるビルゲニアを前にして、自分も共に戦わなければという気持ちはあった。 だがそれを押し殺して夏海はこのライダーと戦う。 不気味な迫力で場を包むほどの敵を放置して、ビルゲニアと挟撃されれば二対二とは言え一…
「はあっ!」 ビルゲニアへと走る四人へと次々に迫りくる怪人達。 しかしディケイドとすれ違った怪人は次々とライドブッカーソードに切り捨てられ、爆裂四散する。 「背中が硬いのね、なら!」 トータスロードの背中にある甲羅での防御を見抜くとキバーラは…
「ぐわぁっ!」 「ふふふ…よくここまで喰らいついたものだ」 全身傷だらけで地に横たわるディエンドを見下ろし、愉悦に浸るビルゲニア。 まだコンプリートフォームを保っているディエンドに対し彼はすでにスーパービルゲニアへの変身を解いていた。 「あの姿…
ここは… リュウタロスの催眠術にかかり意識を失った士は、不思議な空間で目を覚ました。 星のない空が地平線までを覆い、ただ大理石の足場が冷ややかに光沢を主張する。 暗闇ではない…はっきりと見える自分の体を見下ろしながら、あやふやな感覚を確かめた。…
ただひたすらに、憎しみだけで走り続けてきた旅だった。 鳴滝に自らの世界を滅ぼされ、その正体がただの化け物だと知ったとき。 化け物の目的が、下らない世界征服ゴッコだと知ったとき。 あと一歩と言うところまで追いつめておきながら、取り逃がしたとき。…
仮面ライダーオーディンが拘束された夏海を救けだし、時間稼ぎをしている頃。 ダークキバはライダー大戦の場から離れた場所へとキバを連れ出していた。 「ぐわっ!」 仮面ライダーキバ エンペラーフォームを軽々と地に伏して毅然と立つダークキバ。 「どうし…
夏海がネオファンガイアとしての力を取り戻した時、もう一つ手にしたもの。 失われていた過去の戦いの記憶。 彼女はデンライナーへの帰路を歩みながら、それを彼に伝えるかどうかを迷っていた。 なぜなら、彼の過ちでもあるのだから。たとえそれが、悪魔によ…
夏海が降り立った、崩壊した世界。そこでも変わらず存在し続けていた光写真館だったが、その中で待っていたのは祖父である光栄次郎ではなく、「ネガの世界」で戦った「仮面ライダーダークキバ」であった。 「あ、あなたは…!」 身を竦める夏海に、ダークキバ…
コンプリートフォームを手にした仮面ライダーディエンドと、 最悪最凶の力を振るうスーパービルゲニア。 そして再び士の下に駆け付けるべく自らと戦うユウスケ。 閑話休題。 「士君!」 変身不能、満身創痍の彼を救けに現れたのはデンライナーに乗った夏海と…
「なるほどね…確かにこいつは『アイツ』と同じものだな」 小野寺ユウスケは居心地の悪さに肩を縮めながら目の前のレントゲン写真を観察していた。 「神経系の状態、筋肉の活動電流量から見てもほとんどアイツが最後にここで診察した時と大差ないほど肉体が強…
『AttackRide Cross Attack!』 「ムンッ!」 バーニングショットとカイザスラッシュを、刃の一振りで空間ごと切り裂く。 「凌いだ!俺の攻撃を!」 仮面ライダーギャレンが声を上げる。 「一々うっとおしいぞ、疑似存在如きが!」 そう言うとビルゲニアはデ…
ビルゲニアがライドブッカーを切り裂こうとしたその時、背後からアビスが凶刃を閃かせた。 「フフフ…」 「貴様…気が触れたか!」 ビルゲニアは容赦なくアビスを切り払う。 しかし間一髪飛び退いて装甲の表面を削られるに留まったアビスは、その両手に『獲物…
全てのライダーを破壊し、最後には自らもライダーとなる力を失った士。 心の中、どこかで偽りだと分かっていても…その願いが叶うのではないかと言葉を漏らす。 「これで…あいつらが帰って来れる」 「おめでとうディケイド!」 指一本動かすのもままならない…
遂にディケイドは出会ったライダーたちを全て破壊するに至った。 しかし彼らの力もまた凄まじく、新たに得たドライバー、そして『激情体』の力も失われかけている。 疲れ果てて倒れた彼が目を覚ました時、最後のライダーがそこにいる。 彼にとっては、最初の…
無情な一撃が、龍騎の目の前でブレイドの頭部を撃ち抜いた。 「強く…なったな」 戦闘不能に陥ったブレイドは、そのままライドカードへと封印される。 『ファイナルアタックライドゥ ディディディディケイド!』 そして迫り来るドラグレッダーの猛進を、続け…
もうすでに「残党狩り」の様相を呈してきた戦いも、この世界で終わるだろう。 そんなことを考えながらもはや勝敗は明白の戦いを見つめる。 何故彼がわざわざここに現れたのかは知る由もない。だが代用品を使わずに済んだことで、より完全なる結末を迎えられ…
「来たか…ディケイド」 傷心癒える間もなく、訪れた次の戦場に待ち受けるは三人。 「仮面ライダー一号に、 「仮面ライダー二号。」 「そしてV3…か。」 ディケイドが順にその名前を口にする。 始まりの男、本郷猛。 その後に続いた一文字隼人。 そして彼らの…
こうして戦い続けて、ふと士は考える。 クウガ・アギト・龍騎・ファイズ・ブレイド・響鬼・カブト・電王・キバ。 自分が会ってきた彼らのオリジナルだと嘯く同じ存在のライダーたち、そしてさらに他の次元に存在していた十五人のライダー。 それらを倒すこと…
『ファイナルアタックライドゥ カカカカブト!』 蹴り上げられたストロンガーの体を中心に、ゼクターカブトが旋回し狙いを定める。 「ぐうっ…!」 姿勢を制御しようと試みるが、すでにゼクターカブトはストロンガーの背中へと狙いを定めていた。 「ぐおっ!…