仮面ライダーディケイド考察小説 第十二幕 その2 「世界を賭けた戦い、その果てに立った者」
「強く…なったな」
『ファイナルアタックライドゥ ディディディディケイド!』
そして迫り来るドラグレッダーの猛進を、続けざまにライダーキックで迎え撃った。
地獄の窯のように炎を溢れさせた口蓋を蹴り砕き、その全身が連鎖爆発を起こす。
「はあああああ!」
その全てを巻き込むように飛び上がった龍騎の刃が、ディケイドを切り裂く!
「うおりゃああああ!」
「ぐっ…!」
連続でのファイナルアタックライド、そして甚大なダメージに動けないディケイドを返しの刃が襲う。
パキィィィ…ン
確かに彼に当たった龍騎の刃は、鏡のようにたやすく割れた。
「…!」
ディケイドの眼前の龍騎はその姿を変貌させていた。
ブランク体。
龍騎を始めとした、彼らの世界のライダーがモンスターと契約する前の姿である。
その力は、全ライダー中最低を争う。
「へへ…無理だった…か」
「どう…した…まだ、終わってないぞ」
力なく笑う龍騎に、ディケイドがけしかける。
だが様子がおかしい。
龍騎はただの一度も攻撃を受けていないにもかかわらず傷だらけで、今にも倒れてしまいそうに見えた。
「俺はもう…死んでる、からさ」
「…!」
その告白に、さしもの士も衝撃を受けた。
「だけど、やるべきことがあるって…言われて、願いをかなえてもらう代わりに、この戦いに参加した。俺は、カードの力で契約したモンスターの魂を借りてただけ…だから、あいつが死ねば、俺も死ぬ」