不肖不精な置小屋 seasom2

仮面ライダーのS.H.Fの写真を中心に、まったりやってます

仮面ライダーディケイド考察小説 第二十五幕 「My name is Diend」前編


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「星の輝きの前に、塵屑となるがいい!」

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 スコーピオンノヴァが、両手を重ね収束させた全身のエネルギーを天へと放つ。

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 雲を穿つほどに撃ち上げられたそれが、一瞬後にはすでにディエンドの頭上に降り注いでいた。

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「くっ!」
 ディエンドは高速移動でその威力から逃れるが、

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「ウオオオ!」

 すぐ視界に捕えると、巨体に似合わぬ素早さで追撃する。

「やるね…!」
 飛び退いた自分の代わりに粉々になった地面を見て舌打ちをしながら、回答を探す。

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「チョコマカと逃げ回っているが、動きが鈍くなっているぞ?手もなく足ばかりか」

 不安を煽ろうというのが見え見えの、嫌らしい声音に海東はむしろ怒りを煽られた。
 だが事実、士と夏海を見送ってからまだ五分と経っていないにも関わらず、勝負を急がなければならないほどに追いつめられている。

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「言うね…なら、星の輝きも届かない暗闇の住人の力を味わうといい!」

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『FINAL KAMEN RIDE』

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『G4!』
リュウガ!』

 呼び出されたのは黒い二体のライダー。
 リュウガはすでに戦闘態勢に入り、ベントカードを引く。

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『ストライクベント』

 続いてG4も複雑な電子音の後に突如として動き出し、専用巨大ミサイル兵器「ギガント」をその肩に構えた。

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「ハアッ!」

 巨大な火球と連装ミサイルが、次々とスコーピオンノヴァ目掛けて繰り出される!

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 次々と命中する炎とミサイルだが、爆炎の中スコーピオンノヴァは微動だにしない。

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「ハハハハハ!」

 全身を回転させ、哄笑と共に自らの周りに巻き上がる煙を振り払い、そのままG4とリュウガを弾き飛ばす!

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超新星から得られるコズミックエナジーの前には、羽虫も同然よ…!」

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「!?」
 勝ち誇るスコーピオンノヴァの胴に、巨大な二本の爪が喰らいつく!

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「こ、れは!」

 マグナギガ――本来は『仮面ライダーゾルダ』の契約モンスターである巨牛であるそれが、爆炎に紛れて接近していた。

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「愉しませてくれる!」
「…!」

 しかし六本の脚を力強く進める突進に、マグナギガでさえも後退させられていく。

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『ファイナルアタックライド ゾゾゾゾルダ!』

そしてその先には、ディエンドライバーの先端が構えられていた。
銃口がマグナギガ背面のプラグにかみ合った瞬間、ライドカードが発動する!

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マグナギガの全砲門が音を立てて解放され、

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「ぐおおおっ!」
 ありったけの内臓火器を目標目掛けて撃ちこむ『エンドオブワールド』が至近距離から繰り出される。
 その巨体ゆえに全ての砲撃が直撃し遂に致命傷を与えた、

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かに思えた。

「馬鹿な…!」
「ふふふ、派手な花火だったが」

 これほどの火力を叩き込んでも、スコーピオンノヴァは揺るぐ様子もない。

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「!」

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「玩具遊びもここまでのようだな」

鋭い毒針が、マグナギガの強固な胴を貫いて天に掲げる。

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「ぐわっ!」
 そして半壊したマグナギガを、鎖分銅のように振り回すとディエンドに叩きつけた。
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「がはっ…おのれ…!」

 すぐにマグナギガの体は実体化するための力を使い果たして消滅したが、ディエンドは倒れたまま動くことが出来ない。

「さあ、すぐに楽にしてやろう…!」


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(こんな…ところで…僕は…)

体は意志を拒み、システムは入力に答えない。

そして意識すら遠ざかっていく…

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(…あれは…僕のドライバー…)

その時、視界に入ったのは小野寺から渡されたもう一つのディエンドライバー。

(僕の…宝…)

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(せめて、せめてこれだけは持っていないと…)

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(死んでも死にきれない!)

もはや意識と言うには生ぬるい、魂の絶叫がその手を動かした。





<後編へ続く>