仮面ライダーディケイド考察小説 第二十幕 「ロストヒーローズ(中編)」
ダークキバはライダー大戦の場から離れた場所へとキバを連れ出していた。
「ぐわっ!」
仮面ライダーキバ エンペラーフォームを軽々と地に伏して毅然と立つダークキバ。
「どうして父さんがディケイドに協力してるんだ!」
「それがわからないなら、まだまだお前はお子ちゃまだ」
「くっ…父さんはディケイドに騙されているのか?それとも僕が…」
迷いながらもキバは構えを作り、召喚の体勢を取る。
「来い!ザンバット!」
「そこだ!」
「うわっ!」
呼び寄せられたザンバットソードは急に刃を主に向け、その切っ先がキバの胸を切り裂いた。
そしてそのままザンバットソードは、ダークキバの手へと吸い寄せられた。
「そんな馬鹿な!」
『元よりこの剣は王たるものの証、お前だけに使える道理はない!』
キバットバットⅡ世が高らかに告げる。
「悪い子にはお仕置きだ!」
ザンバットソードを閃かせ、一太刀の下にキバを絶つ。
「ぐわああああ!」
火柱が立ち上り、キバの全身を包み込んだ。
それが収まるころには――彼の姿は消えていた。
「…」
ダークキバはまだ燃える地面を見下ろしていたが、やがて踵を返しその場を後にした。