不肖不精な置小屋 seasom2

仮面ライダーのS.H.Fの写真を中心に、まったりやってます

仮面ライダーディケイド考察小説 第三十幕 「これが俺たちの」

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 ディケイドが放ったディメンションシュートは、体勢を立て直しきれないビルゲニアへと直撃するはずだった。
 しかしそれは、突如飛来した物体に遮られてしまう。

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「あの剣は…!」

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 ディメンションシュートを受け止めて傷一つ付かずにビルゲニアの目の前に突き刺さっている、それは――

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「サタンサーベル!」

 バリア外部のディエンドが興奮を抑えきれずに叫ぶ!

「うわっ!急に大きい声を出すなよ!」

「そうか、ビルゲニアがキングストーン二つの力を全開放したのに反応してここに来たのか…!」

 耳を押さえながらクウガが抗議するが、ディエンドはもはやサタンサーベルに釘付けである。

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「ふふ…またこうしてサタンサーベルを手に取る日が来るとはな!」

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サタンサーベルを大地から引き抜くと、禍々しいエネルギーが刀身から柄、ビルゲニアへと伝わっていく。

「力が漲っていくぞ…はははははは!」

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右手にサタンサーベル、左手にビルセイバーを携える。

「形勢逆転だな、ディケイド」

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「どうかな…!」

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共に走り出し、

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剣を打ち合う!

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「ヌン!」

 初撃こそ同時だが、ライドブッカーソードをサタンサーベルで抑えこまれたまま、ビルセイバーで突きを繰り出され、ディケイドが後退する。

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「ちいっ!」

 剣聖と自ら謳うだけの事はある――
 身をもって思い知りながらも、彼もまた自らを奮い立たせた。

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「素晴らしい、素晴らしいぞ!これがキングストーンとサタンサーベルの力…!」

 だがビルゲニアの波状攻撃に、強化されたスーツすら傷ついていく。


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「しまった…!」

 そしてようやく一撃を受け止めたが、受け流しに失敗してバランスを崩す。

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「受けろ我が秘剣!」

ビルゲニアが両腕を交差させ、刀身にエネルギーを集約する。

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「サタンクロス!」

双剣から放たれた斬撃が、禍々しい力の奔流と共にディケイドを襲う!

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だが、光速の剣技が命中する瞬間に、ディケイドははるか上空へと飛び上がる!

「何っ!?」

凄まじい上昇速度、そしてそれを完全に制御仕切っている力は――

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『アタックライドゥ スカイ・セイリングジャンプ!』
『ファイナルアタックライドゥ キキキキバ!』

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キバアローを目いっぱい引き絞り、狙いを定める。

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『キバって…』

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『行くぜ――!』

キバットバット三世の気合と共に、魔皇力を推進力とする紅の矢が放たれた!

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矢は正確にビルゲニア、その左手に握られたビルセイバーを捕えると粉々に粉砕した!

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「しまった!」

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「これでもう二刀流は使えないだろう」

キバアローを解除したディケイドはそのまま軽やかに着地する。

「おのれ、ビルテクターのみならずビルセイバーまで…だが」

自らの武具を奪われたビルゲニアだが、ディケイドの予想に反して声を荒げることはなかった。

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代わりに声を上げたのは、世界そのもの。

「何だ!」

「限界だ…」

ビルゲニアが呟く。

「何の限界だ!」

ディケイドの問いに答えたのはディエンドだった。

「士!恐らく次元破断装置が稼動限界に近付いている!このままだと全ての世界が一つになってしまう!」


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「良く調べたようだな。その通り、このままならつながった世界が不自然な形に癒着し、出鱈目な気候、重力の歪曲、存在の不安定性…ありとあらゆる事象が捻じくれる。我々ならいざ知らず、何も知らない人間どもや動物、自然…ありとあらゆる力のないものは死に絶えるであろうな」

 ビルゲニアは愉快そうに語る。

「だが安心しろ、あの装置には全ての世界から怪人共を呼び寄せる機能がある。先に一網打尽にしたあの怪人共の数の比ではない数がな…どうせ装置が壊れてしまうのならば、この世界を一度我が指揮下の怪人で埋め尽くし、それからもう一度計画を始めればいい。

 時間はいくらでもあるのだ…お前たちさえ居なければな!」

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「さあ起動せよ次元破断装置!我が下僕どもでこの世界を埋め尽くせ!」

サタンサーベルを掲げると、示された空が血のように赤黒く濁り始める。

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「させるか…!」

 もし援軍を呼ばれれば、ディケイド達は逃げることが出来てもビルゲニアを追うことは困難になる。
 ディケイドは覚悟を決めて全ての力をこの一撃に賭けた。

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『ファイナルアタックライドゥ ディディディディケイド!』

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「はああああああああああっ!」

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夥しい数のディメンションカードが並び、ビルゲニアへと至る道を創る!

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「…何故だ!」

一方ビルゲニアは戸惑っていた。

「時空破断装置のバリアは解除した、門も開いたはず…なぜ何も降りてこない!」

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「あああああああっ!」

その間にも威力を増しながら、ディケイドはビルゲニアに迫る!

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「こうなれば、受けて立つ!」

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「サタンスマッシュ!」

ディメンションキックと、サタンサーベルの一撃がぶつかり合う。

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星すらも砕きかねない二人の技は、

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壮絶なせめぎ合いとなって世界を揺らす。

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「ぐっ…!」

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「ふはははは!」

ビルゲニアのキングストーンが怪しく輝き、剣に宿る力がさらに倍増する。

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「負けるか!俺には…!」

歯を食いしばり、足を伸ばし、全力で叫ぶ!

「共に戦う仲間がいる!」

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「バリアが解けた!行きたまえ!」

ディエンドがそう口にするよりも早く、クウガが走り出す!

「いっくぞぉぉ!」

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『ファイナルアタックライドゥ ディディディディエンド!』
『ファイナルアタックライドゥ ディディディディエンド!』

ディエンドもその後ろから二発同時にディメンションシュートを放つ!

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飛び上がり射線から外れたクウガは体を縮め、

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作った溜めを解き放ち全身を業火の砲弾に変える!

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「があっ!?」

クウガ・ディエンドが加わり三位一体となったその威力に、力の均衡は一気に傾いた。

「馬鹿な…こんな…虫けら同然の者達の力で…こんな…!」

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『これが…!』

『俺たちの!』

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『力だ!』

「ぐわあああああああ!」

遂にビルゲニアの腕が弾かれ、その体をディケイド達の攻撃が貫いた!

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「ああ…ああ…ははは…はははははははは」

その仮面が砕けると力無く乾いた、しかし明らかに勝ち誇った笑いを浮かべるビルゲニア。

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「忘れたか…?私は…いまや不死身!」

 今にも崩れ落ちそうな体は辛うじて姿を保っていたが、声には力が残っている。

「シャドームーンに殺され、蘇ったあの時から私は死んでも死なん…何度でも、何度でも、永遠に!」

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「ならもう一度…!?」

 クウガが再び攻撃の姿勢を取るが、ライジングアルティメットの姿からマイティフォームへと戻ってしまい、集めた力も霧散する。

「くそ、こんな時に!」

「手を貸してくれユウスケ!俺が…」